中小企業のAI活用とはGoogle活用のこと

企業経営における新しいテクノロジー活用において、AIが語られない日はありません。

しかしながら漠然としたイメージや、センサー活用の事例ばかりが先行しており、中小企業がAIを導入する際に、何をどうすれば良いのかは、あまり明らかにされていません。

他社のAIエンジンを利用して、新製品を開発することも、AIエンジンやAPIのサービス終了のリスクを考えて二の足を踏んでいる方も多いかと思います。

当社も小さな企業としてAIの活用を考える中で、中小企業のAI活用は、もうちょっと身近な形であるのではと感じています。

それが、本日のテーマである「日常業務におけるGoogle活用」です。

ちなみに、なぜAIがGoogleなのか?については、『WIRED』の創刊編集長であるケヴィン・ケリー氏の著書『〈インターネット〉の次に来るもの~未来を決める12の法則』(NHK出版)に次のような記述があります。(P.51からの引用)

2002年頃に私はグーグルの社内パーティーに出席していた。同社は新規株式公開をする前で、当時は検索だけに特化した小さな会社だった。そこでグーグルの聡明な創業者ラリー・ペイジと話した。「ラリー、いまだによく分からないんだ。検索サービスの会社は山ほどあるよね。無料のウェブ検索サービスだって?どうしてそんな気になったんだい?」。私のこの想像力が欠如した質問こそが、予測すること—-特に未来に対して—-がいかに難しいかを物語る確固たる証拠だ。だが弁解させてもらえるなら、当時のグーグルはまだ広告オークションで実収入を生み出してもおらず、ユーチューブなど多くの企業買収を行なうはるか前の話だった。私もその検索サービスの熱心なユーザーだったが、いずれは消えていくのではと考えていた大多数の一人だった。ペイジの返事はいまでも忘れられない。「僕らが本当に作っているのは、AIなんだよ」と彼は答えたのだ。

また次のような記述に続きます。 (P.52からの引用)

私はここ数年、グーグルがディープマインド以外にもAIやロボット企業を13社も買っているのを見て、このやり取りのことを考えてきた。一見すると、グーグルはその収入の8%を検索サービスから得ているので、検索機能の充実のためにAI企業の買収を強化しているように思われるかもしれない。しかし私は逆だと思う。AIを使って検索機能を改良しているのではなく、検索機能を使ってAIを改良しているのだ。

企業が日常業務として使うGoogleサービスとしては、Google Workspace(旧GSuite)が良く知られています。

数十個のサービスから構成されていますが、その一つ一つのAIの技術が生かされていて、業務改善にAIが大きく貢献していることを実感します。

一例として、そのサービスの一つであるおなじみGmailにおいて、メールの本文で「ファイルを添付します」などと書きながら、添付ファイルがない場合は、送信時に「ファイル添付をお忘れではありませんか?」的なメッセージでリマインドしてくれます。

また重要な文面のメールを「連絡先」に登録の無いユーザーに送信しようとすると、やはりアラートで警告してくれます。

これらはAIによるテキストデータ処理のほんの一例ですが、複数名で複数のアプリを使う場合の連携の良さや、調整の時間を大幅に割愛してくれることなどは、AIの事例としてさまざまなメディアで紹介されている通りです。

また大事なこととして、業務の効率化が進めた結果、他のGoogleサービスも活用しつつ、情報発信に時間と労力が割けるようになることが大きいと思います。

外向きの情報発信についても、Googleマイビジネス活用やGoogle広告など、利用できるさまざまなGoogleサービスがあります。

このように総合的にGoogle活用を検討していくことが、大企業との差別化につながるAI活用の一つの在り方かと思います。

ちなみにGoogle Workspace活用については『Google式10Xリモート仕事術――あなたはまだホントのGoogleを知らない』(平塚知真子著・ダイヤモンド社)も参考になるかと思います。

『Google式10Xリモート仕事術――あなたはまだホントのGoogleを知らない』(平塚知真子著・ダイヤモンド社)※Amazonサイトへのリンク

>冒頭で紹介した本はこちら。

『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』(ケヴィン・ケリー著・NHK出版)※Amazonサイトへのリンク