台湾の首都・台北の中心地には、スタートアップ支援拠点 「Taiwan Tech Arena (TTA)」 があります。今回、台北出張の際にご担当者をご紹介いただき、現地を訪問してきましたのでその様子をご報告いたします。

TTAの特徴と日本の類似施設との比較
東京で同様の機能を持つ拠点といえば「SHIBUYA QWS」や「CIC Tokyo」に加え、「TiB(Tokyo Innovation Base)」 や 「NEXs Tokyo」、 「SHIP(品川区の産業支援交流施設)」のような公的色の強い拠点も存在します。
その中でTTAの大きな特徴は、台湾政府(科技部=科学技術部)が直接推進している点です。国家戦略の一環として位置付けられているため、予算規模や国際的ネットワークの構築力に厚みがあることを強く感じました。
台北アリーナという立地
TTAは「台北アリーナ(Taipei Arena)」の中にオフィスを構えています。スポーツやコンサートが行われる大規模施設の一角というのは非常にユニークで、東京で例えるなら国立代々木競技場や東京体育館をリノベーションし、スタートアップ支援フロアを整備したようなイメージです。アリーナ特有のカーブした建築構造が、オフィス空間に柔らかさを与えていました。
入り口に到着後、ご紹介いただいたJoeマネージャー様にLINEで連絡を取り、出迎えていただきました。入り口でまずは記念撮影。

はじめに会議室で当拠点TTAの沿革と活動などを紹介いただきました。会議室でまずはTTAの沿革と活動内容についてご説明をいただきました。TTAの運営を担っているのは SparkLabs社 です。同社は韓国発のアクセラレーターで、シリコンバレーやアジア各地に拠点を持ち、スタートアップの育成や投資を行っています。グローバルネットワークを活かし、台湾にも現地法人を設立し、起業家と投資家、企業との橋渡しをしてきた実績があります。
その事例として、韓国やシンガポールにとどまらず、サウジアラビアとも連携があるとのこと。台湾のスタートアップ支援がアジアを超え、中東にも広がっている点は非常に印象的でした。
続いて当社の会社紹介も行わせていただき、双方の理解を深める場となりました。

オフィスの印象
施設内をご案内いただいた際、まず感じたのは 公的施設らしからぬ柔軟さと遊び心 です。共用部はモダンで開放的な雰囲気があり、オフィススペースもポップなインテリアで彩られていました。自然と交流やアイデアが生まれやすい環境であることが伝わってきます。

こちらはオフィススペース。公的な施設にありがちな固いイメージはまったくなく、ポップなインテリアが広がっています。

さらにSparkLabs社だけでなく、多様なステークホルダーが同居していることも特徴です。異なる背景を持つ人々が同じ空間をシェアすることで、スタートアップに不可欠な「偶発的な出会い」や「協業のきっかけ」が生まれる仕組みになっていると感じました。

最後にオフィス内のSparkLabs社スペースでロゴを背景に。

まとめと考察:日本と台湾の支援体制の違い
今回の訪問を通じて、日本と台湾のスタートアップ支援拠点にはいくつかの違いがあると改めて実感しました。
- 主導主体の違い
日本では民間主導の施設と、行政や自治体が関わる施設が混在しています。一方でTTAは政府主導で明確に「国家プロジェクト」として推進されており、国際展開に直結するスケール感が特徴です。 - 国際ネットワークの広がり
TTAはSparkLabs社を通じて韓国・シンガポール・中東などとすでに連携を築いており、台湾のスタートアップを国際市場に送り出すハブとして機能しています。日本の拠点も国際化の流れは進んでいるものの、台湾の方が「アジア+中東」まで含めた展開を積極的に進めている印象を受けました。 - 空間設計と雰囲気
TTAはアリーナ内という独特な立地を活かし、公的施設とは思えない自由度の高い空間設計を実現しています。デザインが交流を促進する仕掛けになっており、「場の力」が強く働いている点は日本の施設にとっても参考になる部分です。
今回の訪問では、日本のスタートアップ支援のあり方を考えるうえでもとても示唆的でした。今後は、台湾とのネットワークをさらに深めながら、両国のスタートアップエコシステムをつなぐ橋渡しをしていきたいと強く思った次第です。
ともあれJoeマネージャー様にはお忙しいところ丁寧なご案内をいただきありがとうございました。