映画「マネーモンスター」にみるインフォテインメントの危うさ

財テクTVシリーズ「マネーモンスター」の人気司会者(ジョージ・クルーニー)とその番組のプロデューサー(ジュリア・ロバーツ)、そしてその番組に流された情報を鵜呑みにして全財産を失った若者(ジャック・オコンネル)が織りなす人間ドラマとサスペンス。
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ジョディ・フォスター監督の映画ははじめて見たのですが、160km直球ストライクのような骨太の娯楽作品とは思わなかったです。とても楽しい時間を過ごすことができました。

この映画はあらゆるテーマが語られていて興味深かったのですが、中でも
「インフォテインメント」の危うさ、というテーマが自分にとって最も刺さりました。

最近の流行語でもある「インフォテイメント」とは、「インフォメーション(情報)」に「エンターテインメント(娯楽)」を掛け合わせたものです。

この映画では株の情報提供をテーマにした娯楽TV番組が、ドラマの舞台として取り上げられています。

伝えられる情報が、純粋な「インフォメーション(情報)」の形のみであれば、疑ってかかることもできるし、裏を取ろうという気にもなる。

また、その情報が「エンターテインメント(娯楽)」の中だけで語らえるのであれば、信頼性こそが身の上の金融情報であれば、はなから信用しない人も多いでしょう。

しかし、この映画に出てくるTV番組「マネーモンスター」のような人気メディアが、情報を大きなインパクトを与える演出と共に伝えるのなら、一瞬にしてどんな情報であれ信じ込ませることも難しいことではない。

情報は探す(サーチする)ものという言葉がかつて流行ったことがあります。確かにある一面ではそうでしょう。

しかしネットで検索して見つけた情報や、一方的に伝えられる情報だけでなく、自分で考えて得た結論、そして直感として感じる印象も情報の1つです。

そしてこの映画は、そのような情報こそが今後、恐ろしいことに玉石混交の情報が錯綜する現代にあって、ますます価値が高まっていくこと示唆していると感じました。